「箱根で泉質の良い源泉掛け流しの温泉に入りたい」
「混雑していない、穴場的なところが良いな」

 神奈川の有名温泉地である箱根には、「温泉施設」は多数ありますが、「純粋な温泉」=「100%源泉掛け流し」を提供する「温泉施設」は限られてきます。
 普段、スーパー銭湯で「温泉」には入っているけど、「100%源泉掛け流し」を体験されていないとすれば、もったいないことです。
 
 以下では、ホテル業界10年以上で温泉管理の経験もある私が、「100%源泉掛け流し」風呂を説明し、箱根の仙石原でおすすめの穴場な「温泉宿」を1件ご紹介します。

「100%源泉掛け流し」風呂の定義

 まず、「100%源泉掛け流し」の風呂とは、加温や加水、ろ過循環をせず、消毒も入れていない風呂のことです。

 一般的な天然温泉の大浴場では、ボイラー等で温度を上げたり(加温)、水を補給して適温になるよう調整(加水)しています。
 
 また、浴槽のお湯の衛生を保つ為、ろ過機を通して循環させたり(ろ過循環)、塩素等の滅菌剤(消毒)を入れています。
 
 しかし、このような運用では、温泉の成分が薄まってしまうのも事実です。
 成分が薄まれば当然、効能も弱くなってしまうということです。

「100%源泉掛け流し」と「源泉掛け流し」風

 「100%」と書きましたが、巷には「源泉掛け流し」と表記されてはいるけど、実は「源泉掛け流し」風の浴槽も多々見られます。
 
 例えば、桶の形をした丸い浴槽に、石でできた給湯口からお湯を落とし込んで、常にオーバーフローしているような浴槽です。
 
 「源泉掛け流し」という表示がありますが、よくよく調べてみると他の浴槽と同じ循環湯で、消毒しているなんてことがあります。
 そのような表記をしたいくらい、「源泉掛け流し」に魅力があり、貴重ということなのです。

仙石原の穴場な老舗旅館
 

 ここで1件、「100%源泉掛け流し」のお風呂を紹介いたしましょう。

 箱根の仙石原にある旅館「万寿屋旅館」さんのお風呂です。
 源泉は「大涌谷温泉」、泉質は「硫酸塩・塩化物泉」でにごり湯です。効能は「疲労回復、美肌、貧血、外傷、リウマチ等」です。

 お湯は硫黄の香りがして、「湯の華」という独特の沈殿物があり、体が包み込まれるような感覚です。
 私は、温泉に入った時は、体はさっと軽くシャワーで流すだけにしています。
 できるだけ、温泉成分を体に染み込ませた状態にしたいからです。

 にごり湯なので、湯上りでも体から硫黄の香りがして、効能が「効いている」と感じます。

 私が訪れた時は、風呂を貸し切りで入ることができました。
 入浴時間は40分~50分ですが、浴槽に漬かったり出たりを6回繰り返し、浴槽を後にしました。

公式サイトをぜひ、チェックしてみてください。

万寿屋(ますや)旅館
住所:〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原160
TEL:0460-84-8057/FAX:0460-84-5760
入浴料:900円
入浴時間:10:30~16:00