「箱根湯本駅から徒歩圏内で、源泉100%の温泉に入りたい」
「箱根の温泉」というと、仙石原や強羅の、湯の華が浮いた濁り湯をイメージする方がいるかもしれません。
仙石原や強羅では、創業から「源泉掛け流し」を守っている魅力ある旅館が多いです。
ただ、そのような山間部の温泉施設の場合、県外の方にとって、必ずしもアクセスが良いといえません。
混雑していない穴場に行きたい方には、良いのですが…..
アクセス抜群の箱根の玄関口「箱根湯本」で、現代的な大型旅館でありながら、今なお「源泉100%」を貫いている施設をご紹介します。
創業80年以上の老舗旅館
箱根湯本駅から商店街通りを抜け、徒歩7分という好立地に、1万坪の広大な敷地を持つ旅館「吉池」さん。


創業は1940年ですが、元々明治期の「旧岩崎家の別邸」跡や、徳川16代から継承されている茶室(共に国登録文化財)があり、歴史的に重要な立地に建てられています。
また、敷地自体が「山月園」という四季折々の景色を再現した庭園になっており、散策することができます。

今回、日帰り入浴は「貸切」風呂を選びました。
45分の入浴で、入浴料2,200円、貸切休憩料3,300円(宿泊客は2,200円)の5,500円になります。
普段、1,000円~2,000円で入浴をしている私にとっては、「ラグジュアリー」な金額です。
大浴場の日帰り入浴自体は、2,200円で入ることができます。
通常は、大浴場で十分楽しめます。
「打たせ湯」もありますし、とにかく広いです。
貸切風呂は、元々貸切料「無料」だったのですが、2021年に「有料」になりました。
「コロナ禍」により、できるだけ接触を控たいという、需要が増加したことが背景にあります。
自家源泉6本の豊富な湯量
吉池さんは、自家源泉を6本持ち、湯量は「毎分720リットル」になります。
私の知る限り、動力による揚湯量は神奈川でもNo.1なのではないでしょうか。
通常だと、「毎分200リットル」で「まあまあ、多いね」という感覚なのです。
湯量が豊富なため、館内のシャワーのお湯も、温泉を使用しています。
体も頭も温泉で洗えますね。
温泉効果が持続しますよ。
温泉の販売もありますし、さらに夏季限定の「プール」まで、温泉を使用しているのです。
湯量が多いということは、常に鮮度の良い温泉を味わうことができます。
温泉の鮮度を保つため、供給の仕方も工夫されています。
ポンプや循環装置を使わず、「自然流下」により館内に温泉を送っているのです。
温泉も攪拌されたり、空気に触れて時間が経てば、「酸化」され劣化していきます。
塩化物泉と単純泉の混合泉
さて、貸切風呂ですが、脱衣場は綺麗で最低限の備え付けはなされています。

浴槽は、大人3人分程のサイズで、横のヒノキ板にもたれかかかれるようになっています。


温度は42℃位ですが、脱衣場のボタンでお湯を追加し、好みの湯かげんにすることができます。

脱衣場の掲示を見ると、泉質は「ナトリウム・カルシウム塩化物泉」ですが、実際には「アルカリ性単純泉」との混合です。
6本の源泉で、2種類の泉質が得られているのです。
違う泉質のブレンドが、成分を濃厚にし、効果を倍増させてくれます。
「塩化物泉」は、塩分が肌を覆うので、保温効果があり、湯冷めや乾燥を防ぎます。
「塩化物泉」は、湯上り後は洗い流さないほうが良いと言われています。
また、弱アルカリ性の「単純泉」は、肌の角質を取り、すべすべにしてくれる「美肌」効果があります。
お湯の感じはクセがなく、なめらかです。
肌寒い日でしたが、湯上り後は保温効果で、少し汗ばむほどでした。
入浴後は、湯上り処でお茶を飲みながら、休憩できるようになっています。

吉池さんは、今やリニューアルもされて、現代的な旅館となりましたが、「源泉100%」への強いこだわりと、自家源泉を大切にし、湯量を守り抜く精神は、創業以来変わることなく受け継がれています。
ぜひ、湯本駅から気軽に行ける「源泉尽くし」の宿を体験してみてください。
箱根湯本温泉 吉池旅館
住所:〒250-0311 神奈川県足柄下郡箱根町湯本597
電話:0460-85-5711
日帰り入浴:大浴場 13:00~22:00 利用は120分
大人2,200円 小人1,650円
貸切 12:00~利用は45分 予約当日フロントにて
10:30~
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