厚労省によると、2025年の日本の「平均寿命」は男性が「81歳」、女性が「87歳」となっています。
 
 一方、「健康寿命」は男性が「72歳」、女性が「75歳」(2022年)です。

 「健康寿命」は健康上、行動が制限されず、日常生活を送ることができる期間のことです。

 日本人は寿命まで「寝たきり」や介護が必要な期間が約10年程あり、問題となっているのです。

 最近、筆者の周囲でも「寝たきり」の母親の世話の苦労話、介護の為仕事をセーブしたり、退職したりということを耳にします。

 言うまでもなく、介護が必要な状態は、自分自身はもちろん、周囲で支える人にとり多大な「労力」がかかります。

 筆者は現在、40代半ば。

「40代」!?
まだ若いんじゃないのか?

周りからはそう言われます。
しかし、ちょうど今までの生活習慣や姿勢のクセや歪みの「ツケ」が出始める頃だ、と実感しています。

 内科的な疾患はないものの、首、肩、膝の痛みが出始め、特に首(脊椎)においては、仕事にも支障をきたしました。

 通院生活や「理学療法士」のアドバイスを受ける中で、一旦自分のカラダを見直そう、と考えたのです。

「20、30代の時のような無理はもうできない」

「意識的に抑えなければ、今後衰えは確実に進んでいく」

そして、周囲から聞こえる「介護」、「寝たきり」…… 

 以下では、「健康寿命」と「寿命」の差を無くす、つまり「死ぬまで動けるカラダ」の為、筆者が実践しているものをご紹介します。

  1. ストレッチ
  2. 最低限の筋トレ
  3. 毎日の入浴
  4. 温泉浴
  5. 益軒

 筆者と同じ40代、もちろん50代、60代でも遅くはありません!

さあ、5つを実践して共に目指しましょう!

死ぬまで動けるカラダを!

ストレッチ

 「ストレッチ」の重要性を感じたのは、左膝の違和感、痛みが出てからです。

 様々なストレッチがありますが、以下の本を参考にしています。

「老いをゆっくりにする 1日1分セルフケア」木村翔太著(KADOKAWA)

 著者はInstagramで多くのフォロワーを持つ、「きむ先生」こと理学療法士、整体師の「木村翔太」さん

 本書では「背骨」「股関節」「肩甲骨」「足首」「最重要4部位」とし、かたさや歪みを無くすセルフケアを32個紹介しています。

 筆者のひざ痛を例にとると、ひざ関節部をマッサージしたり、消炎剤で対処するだけでは、一向に治らないということです。

ひざに負荷を与えている要因、「股関節」や「足首」のかたさやつまりを取る必要があったのね。

 筆者は現在、毎日欠かさず20分程自分に必要なケアを取り入れていますが、各部位のつまりやかたさがとれていくのを実感しています。

 また、元々少々猫背気味であった姿勢も確実に良くなっています。

最低限の筋トレ 

 筋トレが必要だと感じたのは、首(脊椎)を痛めた時です。

 通院先でリハビリを指導した理学療法士に、「筋力の低下も発症の要因の一つ」とのことで、筋トレを勧められました。

 家でも手軽にできて、継続できるものが良いと思ったので、選んだのが「セラバンド」「セラループ」です。

 

 ムキムキになることが目的ではないので、「死ぬまで動けるカラダ」には、最低限で良いのです。

 痛めた首周辺と「きむ先生」「最重要4部位」をメインにトレーニングを始めました。

 「セラバンド」には、付属のマニュアルに部位ごとのメニューが載っていますので、自分に必要な部位を鍛えることができます。

 また、「死ぬまで動く」には単純に「足回り」の筋肉が大事だと思っています。

 筆者の場合、週2~3回程度で上半身と下半身1項目につき1セット30回、始めてから1年くらいになります。

 筋肉がついたことで、首とひざの痛みはなくなりました。

 最低限の筋トレですが、継続することで日常生活でも、変化を実感します。

 普段でもエスカレーターが併設する駅の階段では、自然と階段の方に足が向かうようになりました。

バンドで負荷をかけている分、足が軽くなっているのですね。

 尚、「マニュアル車」ペーパードライバーであった筆者が、クラッチ操作により負荷がかかる左足を、セラバンドのトレーニングで克服した記事も載せています。

【マニュアル車の運転に効果的!】クラッチ・アクセルワークの為の筋トレを紹介!

毎日の風呂

 次はトレーニングといった、継続するのに「意思」が必要な類のものではありません。

 日本人であれば、誰もが習慣として毎日行っているであろう「入浴」です。

 2024年頃に「風呂キャンセル界隈」という、毎日の入浴を避ける=「キャンセルする」という言葉が出てきました。

 しかしながら、 やはり多くの日本人にとって依然入浴は「ルーティン」でしょう。

昭和世代の筆者は子供の頃、夕食後好きなテレビ番組に夢中になっていた時、親から「早くお風呂に入りなさい!」と何回も言われた記憶があります。

 多くの日本人にとって、当たり前で無意識にやっている「入浴」が、実は効果が高い「健康法」だったのです。
 
 参考にしている本をご紹介しましょう。

 著者の早坂信哉さんは、 25年以上で7万人の入浴を調査、研究をされている医師です。
 
 タイトルにある通り、入浴は「世界一簡単な健康習慣」なのです。
 
 コストも実質0円、ただ肩まで「浸かる」だけ。

 しかし、ただ湯船に肩まで浸かるだけ、がスゴイ大事なことだったのです。

 そして、入浴する際、医学的に最良のポイントを2点あげています。
 
 40℃で10分間です。

 とにかく、毎日40℃のお湯で10分間、肩まで浸かることにより、「死ぬまで動けるカラダ」を阻むものを防ぐことができるのです。 

 一例を挙げますと、風呂に入る習慣のある人は、入浴が少ない人に比べ

要介護リスクと認知症リスクが約30%減少する。

 その他入浴のスゴイ効果や入浴法の詳細は、本書をお読み頂ければと思います。

 筆者は20代の頃、「風呂なんてシャワーだけで良いだろう」と思った時期がありました。

 入浴は単に「体をキレイにする」だけ、という認識だったのでしょう。

 外国でも同じような認識で、シャワーがメインである国も多いと思います。

 しかし、本来の日本の入浴は、「湯船に浸かる」ことでした。

日本人の「肩まで浸かる」ことへのこだわりは、「温泉浴」の習慣から来ていると言われているんだ。

 日本人は「体をキレイにする」だけでなく、「体を温めて免疫力を高める」ことや「リフレッシュさせる」ということを、体験的に知っていたのです。

温泉浴

 先ほど紹介した毎日の入浴の最上級が「温泉浴」です。

 「温泉観光実践士」という資格取得講座での講義で、株式会社バスクリンの小松歩さんが、温泉の力について語っていました。

 「温泉は入浴剤の成分濃度の約7倍ある」

 最新の化学技術でもって作られた入浴剤でも、やはり自然の温泉には勝てないとのことです。
 
 週末や連休になると、有名温泉地には多くの人が訪れます。

 お湯に浸かるなら、家の風呂に入れば良いのですが、やはり多くの人が温泉を求めに行くのです。

 「温泉教授」の松田忠徳さん
「我々現代人は、古来より温泉は、心身の穢れを清め、万病に効くという温泉DNAを受け継いでいる」と述べています。

「温泉はなぜからだにいいのか」
平凡社

 現代の「湯治」のスタイルがつくられたのは、明治時代の農漁村に従事する人たちによるとしています。

 農閑期や漁と漁の間に、重労働に耐える健康な体を維持するため、湯治場に行っていたのです。  

 フランスでは、毎年数週間から1か月程長期休暇をとる「バカンス」が習慣となっています。

 日本人は羨ましく思うのですが、ほんの60年程前まで日本の農漁村の慣例であった「湯治」こそ、「日本のバカンス」だ、と松田さんは言います。

 現代の日本人は、長期休暇はなかなかとれません。

 しかし、2泊3日、3泊4日を年に3回程でも温泉浴をメインとした旅行をする…..

 このような「プチ湯治」をするだけでも、健康、予防効果が得られると実証されています。

 筆者は昨年、風邪をひいたり体調不良もなく、過ごすことができました。
 
 毎日の入浴と温泉浴を意識的に行っているおかげだ、と考えています。

益軒

 最後の「益軒」とは、江戸時代の儒学者「貝原益軒」のことです。
儒学者:哲学者)

 「死ぬまで動けるカラダ」を目指す場合、体の外側だけ気をつければ良いわけではありません。

 暴飲暴食や過剰摂取など不摂生がたたり、入院生活を余儀なくされる場合もあります。

 当然のことながら、体の内側にも注意しなければなりません。

 そこで考え方の参考になるのが、貝原益軒が書いたベストセラー『養生訓』です。

『養生訓』については、別の記事ですでに紹介しています。

【江戸期に温泉や入浴の指南も!】齋藤孝さんの『図解 養生訓』を紹介!

 400年前に書かれた健康書ですが、現代でも編訳され出版されているのです。

『養生訓』は食や酒、普段の生活などの養生法が書かれていますが、現役医師の奥田昌子さんが、医学的な根拠を補足しています。

 「死ぬまで動けるカラダ」の為に重要な『養生訓』の考え方をご紹介しましょう。

  • 「治療や薬は最終手段」
  • 「予防に勝る治療なし」

 医療や薬はやむを得ない状況での手段であり、最初から頼るべきではない、ということです。

 とはいえ、緊急時は治療が必要ですし、忙しい現代人は薬で対処する場面も多いでしょう。

 しかしながら、副作用の面もあるので、基本的には頼らない生活を心がける、という気持ちが大事です。

 次に、病気になれば辛い症状と共に、治療の苦痛にも耐えなければなりません。

 だから、病気になる前に養生に努めよう、と言っています。
 
 そして、『養生訓』の考え方は、「温泉浴」に通じています。

 「温泉教授」の松田さんは、「温泉は地球がくれたスローな薬」と述べていました。

 温泉には即効的に病気を治す力はありませんが、定期的に浸かることで予防効果があります。

 また、「温泉で野菜をとる」という表現をされています。

 温泉が、人間の体を老化させる「活性酸素」を減少させる「野菜」と同じ力があることを述べています。

おわりに

 薬や医療に依存しない「スローな予防生活」をして、「死ぬまで動けるカラダ」を目指しています。

 筆者の周囲で、「こんなに生きるつもりじゃなかった」と冗談ながらに言う、70歳の方がいます。

 当然ですが、普通に生きる場合、人間は寿命を自由自在にコントロールできません。
  
 「このぐらいでポックリ逝きたいね」と言っても、その後長い間寝たきりや、介護が必要な期間を過ごすケースもあるでしょう。

 冒頭でも述べた通り、介護はされる側する側双方に多大な「心労」がかかるのは、想像に難くないことです。

 やはり、大事な人の為にも「死ぬまで動けるカラダ」でいたい、と思っています。