神奈川県の有名温泉地「湯河原」、温泉施設の数も多いけど、一体どこに行ったら良いのだろう?

 気軽に湯河原の温泉を堪能したい、と思っている方の為に、リゾートホテルに勤務し、温泉の管理も担当した経験がある私が、本物の温泉=100%源泉掛け流しの日帰り温泉施設をご紹介しましょう。

 尚、「中級者向け」としたのは、ここで紹介する施設は、「痒いところに手が届いた」様々なサービスや設備が整った施設でなくて良いから、ただ純粋に泉質が良い温泉に入りたいという志向を持った方へ、おすすめする施設だからです。

たとえアメニティはシャンプーとボディソープのみしか置いていない「シンプルな」風呂場でも、「本物の温泉」に入れるだけで十分満足できます。

創業約60年の昭和レトロホテル

 湯河原駅前の県道75号線を、山方面に進み、旅館、ホテルが建ち並ぶ一角にあるのが、「元湯旅館 光陽館」さんです。
 
 「旅館」とありますが、現在の建物の造りは「ホテル」です。しかも、最後の改装は1989年とのことで、なかなかな「昭和レトロ」なホテルになります。
 館内に入ると、床は昭和創業のホテルに多く見られる「朱色のカーペット」でした。
 
 入浴料は1時間で1000円ですが、温泉を堪能するだけなら十分でしょう。
 早速、案内されて行った脱衣場は、かなり「シンプル」です。洗面台には、ドライヤー1個とペーパータオルがあり、他は扇風機と椅子が1脚あるぐらいです。

「尾畑温泉」という希少な源泉

 湯河原町では、温泉を観光資源として活用する為、各旅館の源泉を町営の配管で共有するケースがあるそうです。
 光陽館さんの温泉は「尾畑温泉」という自家源泉から直接お湯を引いています。
 
 受付の方によると、独自の配管でお湯を供給している旅館も少なくなっているとのことで、自家源泉掛け流しの光陽館さんは、湯河原でも貴重な存在です。

 廊下に掲示してある尾畑温泉の説明書きに、湧出温度84℃、地下タンクの温度70℃の高温なので、若干「加水」されている、とありました。
 ただ、「加温」「消毒」「ろ過循環」はしてないので、「ほぼ100%源泉掛け流し」と言えます。

ひとり湯に浸かり、花火!?を観る

 大浴場も至って「シンプル」です。2×4m程の台形型の浴槽で、中央に給湯口があり、毎分約10リットル程の熱いお湯が流れています。


 アメニティはシャンプーとボディソープですが、十分です。
 浴槽のお湯は若干熱めで、オーバーフローしており、お湯が入れ替わるように調整されていました。

泉質は「ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉」で、きりきずや冷え性に良く、湯上りは肌がすべすべになります。

 浴槽に入り、壁に目をやるとそこに描かれているのは、なんと「花火」なのです。すぐに、湯河原の有名な花火大会を表現しているのだな、と思いました。
 壁を正面にして湯に浸かりながら、「花火見物」も良いものです。

 建物の至る所で歴史を感じ、風呂場も「シンプル」な湯宿ではありますが、温泉は「本物」です。

 ぜひ、皆さんも温泉「中級者編」を体感してみてください。

元湯旅館 光陽

住所:神奈川県足柄下郡湯河原町宮上530

アクセス:【バス】
JR湯河原駅より 奥湯河原行バス または 不動滝行バス に乗車「温泉場中央」バス停下車(乗車時間 約11分) 徒歩約1分

駐車場:無し
※近隣に町営駐車場有り。 100円/1時間

電話:0465-62-3341

日帰り入浴:14:00~ 1000円(1時間目安)